【コーヒーを不味くする】微粉とミルの性能について

記事更新日:2022年4月5日

【コーヒーを不味くする】微粉とミルの性能について

コーヒー豆を粉に挽く際にどうしても発生してしまう微粉、ココアパウダーのように細かい粉状のものです。細かすぎるが故に、意図した粗さのコーヒー豆よりも不快に感じる成分が多く抽出され、キツイ味・重たい苦味を生み、抽出する際フィルターの目詰まりの原因にもなります。粉に挽くコーヒーミルの性能で微粉の発生量が決まってくるので、今回は微粉の及ぼす味への影響とフジローヤルみるっこ、TIMEMORE C2、bodum BISTRO、ハリオスマートG、この3種のミルで発生量を検証しました。ぜひおいしいコーヒーを飲むヒントにしてください。

より詳しくはこちらの動画を御覧ください。 【コーヒーを不味くする】微粉とミルの性能について

微粉のyoutube動画サムネイル

微粉についてクイズです。正解はこのコラムを読み進めて行くと答えが出てきます。考えながら読み進めてみてください。

クイズ

コーヒー豆の微粉発生要素と分離方法

まずコーヒー豆を粉にするときにはミル(グラインダーとも言います)を使い、中挽きや細挽きなど用途に合わせた粗さに挽きますよね。コーヒー豆を粉砕する際、細かな粉が発生します。のこぎりで木を切るときに出る木くずのようなもので、コーヒーではそれを微粉と呼びます。もちろんコーヒー豆の細かな粉ですので、お湯と触れれば味は出ますし、細かいのですぐに成分は溶け出します。ですが、細かさ故にすぐ溶け出す特性が味わいを悪くします。

コーヒー豆の微粉はどのようにして発生する?

コーヒー豆の微粉

コーヒー豆をミルで粉に挽く際に、コーヒー豆と刃が接触し砕かれて粉になっていきます。その砕かれる際に微粉が発生します。また、砕かれた豆は意図した粗さになったらすぐに粉受けに落ちればいいですが、静電気の影響や刃の付いている角度が水平のものだと、意図した粗さになった粉が、更にミルの刃とあたりどんどん細かくなり、微粉が増えていきます。刃の形状、刃の角度、粗さによって微粉の発生量が変わります。

理論的にはコーヒーの粉は粗めに挽くと微粉は少なく発生します。これは細かく挽くにはミルの刃に当たる回数が増え、刃に当たる回数が増えると微粉も都度増えるということです。玉ねぎのみじん切りで細かく叩けば叩くほど水分が出てしまうのと同じですね。また刃の形状として、プロペラ式と呼ばれる刃の形状をしたミルは特に微粉の発生量も多く美味しくコーヒーを淹れるにはオススメではありません。

この後、フジローヤル みるっこ、TIMEMORE C2、bodum BISTRO、ハリオ スマートGこの4種を使って発生量を検証したいと思います。

挽いたコーヒー豆から微粉を分離する方法

微粉をふるいで濾す

微粉の発生はどのミルを使うのか?どの粗さで挽くのか?この2要素できまります。ですが、挽いたコーヒー豆の粉から微粉を取り除くことはじつは簡単にできます。

微粉分離方法

微粉とはココアパウダー程度の細かいパウダー状態です。極端に細かいので、挽いたコーヒー豆の粉をそのままお茶を濾すふるいにかけると微粉だけ下に落ち、意図した粗さの粉はふるいに残ります。振るう際は下に紙など敷いておくと掃除が簡単です。挽いた粉の表面にたくさん付いているので1〜2分ほど奮っているとどんどん落ちていき、最後にはあまり落ちなくなります。そうすると、綺麗な挽いた粉(ふるいに残ったほう)と微粉(下に落ちた方)綺麗に分けることができます。

微粉を落とした綺麗な粉で抽出してみる

微粉を取り除いたコーヒーの粉で抽出してみましょう、ペーパードリップで淹れているといつもよりドリッパーから抽出液が落ちるのが早く感じます。コレはいつもだと微粉がペーパーフィルターにふれると細かさ故に目詰まり気味になり、落ちが悪くなります。それが緩和られるので落ちる速度が早くいつもどおり淹れていると抽出時間が短くなってしまいます。

微粉を取り除いたコーヒー豆で抽出したコーヒーを飲んでみる

飲んでまずはじめに感じるのはとてもスッキリとした味わいだと言う点です。微粉由来の重たい苦味やキツイ味わいが出てきません。上手に抽出できれば微粉のネガティブな味わいが無く、本当に抽出したいおいしい成分だけを出すことが可能となります。例えば華やかで果実味のあるエチオピアのコーヒーなどはその豊かな香りの特徴がいつより強く感じられると思います。微粉由来のキツイ味は心地よく感じる味わいや香りを覆い隠してしまいます。(コレをマスキングといいます。)豊かな香りや心地よい味わいの量は変わらずとも邪魔をするものがなくなるとより純粋に感じやすくなるのです。更にコーヒーが冷めた後の方が微粉のありなしの差はより強く感じます。不快に感じる要素は冷めると顕著に感じますので微粉を取り除いたものは冷めて美味しいのも特徴の一つでしょう。

コーヒー豆の微粉を様々な角度で検証

次に、このコーヒー豆から発生する微粉についてもう少し深堀りして検証してみたいとおもいます。人気のミル毎の比較をしたり、微粉の量を意図的に割合を作って抽出した場合どんな味になって行くのかやってみましょう。

みるっこ、TIMEMORE、bodum BISTRO、スマートGこの4種のミル別微粉の発生量を検証

微粉と分けたコーヒー豆

コーヒー好きの方々に人気のミル、フジローヤルのみるっこ、TIMEMORE C2、bodum BISTRO、ハリオ スマートG、この4種のミルを使って様々な粗さで挽いたときの微粉の発生量を調べてみました。はたしてどのような違いが出てくるのでしょうか?

同じ粗さで挽いたときの微粉の出る量のちがい

4機種すべてでコーヒ豆を中挽きに挽いたデータ表

中挽きの表

こちらがフジローヤルのみるっこ、TIMEMORE C2、bodum BISTRO、ハリオ スマートGこの4機種でペーパードリップ用の粗さ、中挽きで挽いたときのデータです。10gミルに豆を入れ、ミルで挽いた後、ふるいで微粉を分けた後、別々に重量を計測しました。合わせてちょうど10gにならないデータもありますが、これはミルの中に少し残ってしまった事による差ですが、誤差の範囲であり、傾向を掴むのに大きな影響は無いでしょう。中挽きではフジローヤルみるっこが最も微粉が少なく17%、一番多いミルでハリオ スマートGで27%でした。均一性と微粉の量で評価するならフジローヤルみるっこはとても優秀ですが、そもそも価格が異なります。みるっこは約6万円するミル、一方スマートGは2000円台で購入できます。性能に差が出て当然といえば当然ですが、価格の差は性能にも現れているのがわかります。ちなみにbodum BISTROは9000円程度、TIMEMOREは7000円程度という価格帯です。Nif Coffeeでは電動はbodum、手挽きはTIMEMOREが性能と価格からコスパが非常に良くおすすめしているミルになります。

4機種で様々な粗さで挽いてみたときの傾向とミルの性能差をみる

4機種様々な粗さに挽いたデータ表

様々な粗さの表

更に様々な粗さで挽いてみたデータです。ズラッと数字が入ってますね。どのミルも粗く挽くほど微粉の発生量は減ります。前述したとおりですね。一方でみるっこを除くと均一性は粗く挽くほど低くなっていきます。 均一性が低くなると大小の粒が混在しますので、粒のサイズに合わせた最適な抽出ができなくなり味わいも下がります。 粉にする際は微粉は少なく、均一性は高いのが理想です。概ね中挽きあたりが一番均一性と微粉のバランスが良いようです。使う機種にもよりますが、概ね家庭用のミルで挽く際は中挽きで挽くのが良さそうですね。 ハリオのスマートGだと少し細かめに挽いてしまうと微粉は31%にもなり、コレを振りで取り除いてしまうのは非常にもったいないと思います。味に拘るなら性能の良いミルを購入するのがおすすめですね。Nif Coffeeではフジローヤルのみるっこで8.5の粗さで挽いてドリップ抽出を行っています。均一性が高く、粗く挽けるので微粉も少ない。この粗さで適切な抽出を施すことでとても綺麗な味わいのコーヒーを作ることができます。

コーヒー豆の微粉の比率を調整し淹れ比べてみる

微粉割合の異なる抽出

微粉がどの程度入るとどのような味わいになるのか検証したいと思います。方法はまずTIMEMOREのミルを使い、中挽きで粉に挽き、ふるいでふるって、均一な綺麗なコーヒーの粉と微粉に分ける。この分けたコーヒーの粉を使って、改めて計量し混ぜ合わせて意図的に微粉の含有量をコントロールします。

綺麗な豆100%(微粉0%)

綺麗な豆90%+微粉10%(フジローヤル みるっこはこの程度の微粉量)

綺麗な豆50%+微粉50%(極端に微粉が多い状態)

微粉計量前 微粉計量後

これらを綺麗に混ぜてドリッパーにセットし同時に同じような感じで抽出しました。詳しくは動画を御覧いただきたいのですが、やはり微粉が多くなるほど重く、キツイ味わいになります。0%はとても綺麗な味で甘みがしっかりしていてきれいな苦味でした。10%では0%よりビター感が増しますね。50%になるとキツイ味がします。酸味、えぐ味も強く感じます。さらに冷めてくると味わいの差は大きいですね。抽出の最中も微粉が多い方が抽出液の落ちが悪かったのがわかります。

微粉変化による味わいの違い

微粉を上手にコントロールしおいしいコーヒーを淹れる

コーヒー豆を粉に挽く際に発生する微粉、性能の良いミルでも10%ほど発生し、多いものだと30%やプロペラ式だと40%ほど発生する場合もあります。ふるいで分離する方法をご紹介しましたが、微粉の使いみちは他にはあまりなく、分離し廃棄してしまうのはとてももったいなことだと思います。まず出来る対策としては微粉の発生量の少ないミルに買い換える。許容出来る均一性の範囲で粗めに挽くのが良いと思います。その上で更に微粉の味わいが気になるかたはふるいなどで分離するのが良いと思います。微粉由来の不快に感じるきつい味や重たい苦味などは発生しますので、後はどういう味に仕上げたいかを考えながらおいしいコーヒーを淹れて行くのが良いと思います。

おすすめの微粉対策
Nif Coffeeのご紹介

Nif Coffee(ニフコーヒー)では、“ふつう(シティロースト)”、“ふかいり(フレンチロースト)”の2種類の焙煎度合いのコーヒー豆をご用意しています。

高品質で美味しいスペシャルティコーヒーです。すべてのコーヒー好きに向けたスペシャルティコーヒーのスタンダードを目指し、どちらも200gで999円と、かなりリーズナブルな価格で提供しています。粉に挽く場合は、商品代金に99円/1パックのご負担をいただいています。粗さは中挽きのみです。挽き具合の調整、エスプレッソ用の極細挽きには対応していませんので予めご了承ください。

なお、粉状はどうしても味や香りの劣化を早めてしまいますので、Nif Coffee(ニフコーヒー)ではコーヒー粉の美味しさと鮮度を保つために、粉に挽いたものには脱酸素剤を同梱しています。

通販で美味しいコーヒー豆をお探しの方、高品質なスペシャルティコーヒーを堪能したい方は、Nif Coffee(ニフコーヒー)でぜひお求めください。「大変美味しい!」「コスパがよい」など、多くの方よりお喜びの声をいただいています。

また、ホームページ内には「コーヒー粉で美味しいコーヒーを淹れるコツ」や「抽出基礎知識」、「美味しいカフェオレの作り方」などの動画を掲載していますので、ぜひ参考にしてお試しください。

より詳しくはこちらの動画を御覧ください。 【コーヒーを不味くする】微粉とミルの性能について

微粉のyoutube動画サムネイル

美味しいコーヒー豆を通販でお探しの方はニフコーヒーへ

会社名 株式会社ニフコーヒー
屋号 (英)Nif Coffee | (和)ニフコーヒー
役員 小川健介(代表取締役)/渡邉健也(取締役)
設立 2021年(令和3年)3月2日
資本金 300万円
事業所住所 〒214-0034 神奈川県川崎市多摩区三田1丁目8-9-107
電話番号 044-712-3241
メールアドレス shop@nifcoffee.com
URL https://nifcoffee.co.jp
業務内容 コーヒー豆の加工/コーヒー豆の小売(含:通信販売)